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一般財団法人地域活性化センターが主催する研修「地域づくり人材養成塾」でJAPAN MICE NAVIを紹介。

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MICEのプラットフォームサイト「JAPAN MICE NAVI」を紹介

一般財団法人地域活性化センター(東京都中央区日本橋)が地域づくりプランナーの養成を目的に、地方公共団体から派遣されている職員を対象として年間約130回開催している「地域づくり人材養成塾」。10月14日の第54回「人材育成塾」で当サイトの下田大介・プロデューサーが登壇し「JAPAN MICE NAVI」の取り組みを紹介した。14日は会場とリモートの両方で開催され、あわせて25名が受講した。

MICEのプラットフォームサイト「JAPAN MICE NAVI」

「JAPAN MICE NAVI」は2019年9月設立。主な事業はメディアとビジネスイベントプロデュース。ユニークベニューでのビジネスイベントを提案実施することで地域社会へ貢献を目指す。「JAPAN MICE NAVI」は地域に眠るユニークベニューの情報発掘と掲載で新たなMICEの可能性を見出しPRする。インバウンド需要の取り込みも視野に入れている。
提供サービスは、コンテンツホルダー向けには「JAPAN MICE NAVI」の取材、掲載。観光素材磨き上げとPRも行う。ビジネスマン向けにはビジネスイベントプロデュースを実施。日本のビジネスイベントをもっと多種多様で面白いものにしていくことでビジネスシーン、ひいては日本全体を盛り上げるミッションを掲げている。

ビジネスイベント「MICE」とは

MICEとは「Meetings」「Incentives」「Conferences」「Exhibitions」の頭文字をとった「ビジネスイベント」の総称だ。これまではコンベンション業界主導のもと、IR(統合型リゾート)等を携えた大規模なMICEの誘致、実装が主流とされてきた。しかし近年IoT環境の変化や働き方改革によりビジネスのスピード感は増し、チームビルディングのあり方も有機的に。また新型コロナウイルスの影響もありMICEへのニーズはよりコンパクトでユニークなものに変化している。「JAPAN MICE NAVI」ではこれをMICE2.0と定義しこれからの形のMICEのあり方を提唱している。

「JAPAN MICE NAVI」の提唱するMICE2.0

「提供するもの」「提供する場所」「提供する演出」この3要素をひとつひとつカスタマイズしユニークなイベントを作る。ビジネスイベントも心から楽しむのが当たり前という「文化」を作らなければならない。
現代MICE の特徴10の重要キーワードとして①COMPACT(コンパクト)②UNIQUENESS(独自性)③FOOD&DRINK(飲食)④AFTER MICE(アフターMICE)⑤EXPERIENCE(体験)⑥ONLINE(オンライン)⑦LOCALTY(地域、地方)⑧TECHNICAL DIRECTION(テクニカル演出)⑨SIMPLE(シンプル)⑩SHORT TERM(短期)を挙げた。
①のCOMPACT(コンパクト)について、大規模施設で多数の会社と来場者が参加するイベントや展示会自体はこれからも重要なビジネスの場のひとつであり続けるが、それだけがビジネスを大きく動かす場所ではないとし、現代のビジネスイベントにおいてはもっと特別で深く濃い絆を構築するクローズドなものが重要になる。小規模な場所で参加する会社も少数、または1社、来場者も少数に絞るコンパクトなMICEはこれからのビジネスの発展に大きく貢献すると説明。
②のUNIQUENESS(独自性)については、コンパクトなMICEにとって重要なのが独自性。自社のブランドや商品にふさわしい独自性が表現できているか?来場者にとってほかにない魅力的な独自性がそこにあるか?既成のマニュアルに則ったイベントではなくひとつひとつの課題に向き合ったカスタムメイドのビジネスイベントが重要となってくると話した。
Venue(ベニュー)の選定はMICEイベントにとって最も重要な要素。歴史や文化を感じるものから最先端のテクノロジーやカルチャーを感じるものまで大人数向きから少人数複数グループ向きまで、JAPAN MICE NAVIの提携している多数の一風変わったベニューから課題にぴったりのベニューを提案できる。
例えば「自由学園明日館」は1921年大正時代の自由教育運動の下に建てられた女学校の元校舎で重要文化財に指定されている。「九段ハウス」は1927年東京タワーを設計した内藤多仲の構造設計により建てられた財界人山口萬吉氏の元邸宅。「仁和寺」は真言宗御室派の総本山。888年に創建され、1994年に世界遺産に登録された。そのほか、多数のユニークベニューを掲載している。
③FOOD&DRINK(飲食)については、人間にとって必要不可欠な飲食だからこそ通り一遍のものではなくきちんと心を配られているか?食事や飲み物もビジネスイベントの印象に大きく影響を与える。現代MICEイベントにとって重要なポイントと説明。「JAPAN MICE NAVI」では提携している多数の中からぴったりのFOOD&DRINKを選ぶことができる。ファインダイニング協会はWolfgangステーキ、うかい亭など多くの有名店がメンバーになっている業界の垣根を超えた団体。有名レストランのシェフ、ソムリエ、サービススタッフを派遣して料理の提供が可能。企業だけでなくJSA認定ソムリエの尾田有美さんとも提携。
⑥ONLINE(オンライン)については、新型コロナによるイベント開催の制限やソーシャルディスタンスの確保により急激に重要さを増した。ポイントになるのはしかたなくオンラインというのではなく、オンラインだからこそできる体験を設計できるか。そうすることで実際にその場に物理的にいないことがデメリットでなくメリットにもなりうるMICEイベントを実施することが可能になると説明。
⑦LOCALTY(地域、地方)については、他にはない独自の魅力あるMICEイベントを考えるときに非常の重要になる。都心部にない魅力を持ったベニューだけでなく地域全体の魅力もイベントに活かすことができる。例えば古くからの歴史が海外から人気の京都や他に先駆けて地域資源を活性化しゼロウェイストの取り組みを推進している徳島県上勝町など日本中にさまざまな特徴をもった地域、地方がある。新型コロナウイルスによるオンライン化やリモートワーク、地方移住の波もLOCALTYを活かした新しいMICEイベントのあり方を加速している。

オンラインイベントベニューのトレンド

オンラインイベントだからこそ、中継場所にこだわることで特別な体験を届けることができる。参加者を呼び込む会場としては使いづらいような場所、環境も利用できライブコマースと組み合わせるなど新たな体験の機会をつくる。
①高級リゾート地 コロナ禍により訪れることが難しくなった世界のリゾート地などから中継を行うなど中継ならではのラグジュアリー演出。高級ブランドの訴求などに
②現地・産地から ワインの産地であるフランスボルドー、コーヒーの産地であるケニアなど、商品の産地から直接中継。現地の環境保全などフェアトレードやSDGsの取り組みを実践できる機会にも。
③企業の実験場 通常では一般の人が来場することが難しく公開する機会が少ない企業の実験場、工場などから直接の中継も可能。企業や商品特性をダイレクトに伝える機会に。

まとめとして、ビジネスイベント視点から地方に求められる①コンパクトでもユニークなベニュー②視察価値のある独自の取り組みや産業③ここにしかない食――これらをビジネスパーソンから見て魅力ある形にする必要があると話した。参加者からは「JAPAN MICE NAVI」について「行ってみたいと思わせる記事がたくさん載っていた」などの感想が上がった。また参加者らに対し、ユニークな場所情報の提供を呼び掛けた。(JAPAN MICE NAVI編集部)

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