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好きな時に、好きな場所で、自由に働くスタイルを叶える、バンオフィスの存在とは

JPEN

先の新型コロナウイルス感染症(C O V I D -19)をきっかけに、テレワークやリモートワークという新しい働き方が注目されつつあります。今回のコラムでは、そんな次世代の働き方を模索する企業や個人の方に是非ともおすすめしたい、“バンオフィス”という新しいオフィスでの働き方をご紹介したいと思っています。

今、注目される“バンオフィス”とは?

“バンオフィス”とは、キャンピングカー・バンなどの滞在がしやすい移動空間をオフィスとする考え方です。車の中で、移動をしながら会議や作業に集中することができます。

テーブルが設置された車内空間。車内は広々としています。

“バンオフィス”の魅力とは

実際に仕事をする際、「移動中の時間が勿体ない。」、「せっかく足を運ぶのだから、その地をもう少し堪能したい。」そんな風に思った事はないでしょうか?バンオフィスを使うことによって、これから紹介する5つを手に入れることができます。

魅力その1:時間とお金を節約できる

出張をすると、移動するだけでお金や時間といったコストがかかります。しかも、出張先では、提案資料を作成したり、社内のチームメンバーと打ち合わせをしたり、準備することが多くあります。その上、移動をしている間に、仕事がついつい溜まってしまったということもあるかもしれません。
しかし、“バンオフィス”を使用することができれば、移動の時間も作業、リモートもしくは対面で打ち合わせをすることができます。
特に、車内の中は、密閉された空間なので、作業に集中したり、公表できない様な密な話も進めることができるのです。
またお金の節約といえば、車であれば車内で寝泊りをすることができるので、ホテル代の節約ということにも繋がります。車内の経費削減を考える企業や個人事業主にとっては、“バンオフィス”は事業を助ける存在となるかもしれません。

バンオフィスでは、オンライン上でミーティングもできます。

魅力その2:好きな場所で働ける

車でどこでも行くことができるので、出張先の人に自由に会いに行くことができます。
地方に行けば行くほど、「カフェが見つからなかった。」という経験はありませんでしたか?車内という作業スペースや打ち合わせスペースを生むことができるので、大変便利な存在となります。

車で移動をすれば、好きな場所で作業や打ち合わせをする事も可能です。

魅力その3:圧倒的な自由

これは、車という移動手段だからこその醍醐味かもしれません。
車がオフィスになると、wifiなどの環境さえ用意できれば、どこでも好きな場所で仕事をすることができます。特に、フリーランスで活躍するデザイナーや動画クリエイターにとっては理想的な環境になるかと思います。外の景観を楽しむことができたり、食事を堪能したり、地元の人と交流することで、新しい情報が入ったり、五感が刺激されて都内のオフィス時には想像できない新たなクリエィティブな発想を浮かべる事ができるからです。

天気が良い日は海沿いで仕事をするとはかどります。
サーフィンなどマリンスポーツが好きな人は、スポーツをした後に仕事をする人も多いです。

魅力その4:手荷物の身軽さ

出張といえば、自分の着替えやパソコンなど、様々な荷物を運ばなければいけません。車内に荷物を積むことができれば、重い&かさばる荷物も車の荷台に押し込めることができるので、とてもスムーズに移動することができます。移動時の荷物の重さを感じなくて良いのは、航空機やバス・電車といった他の交通手段にはない魅力の一つです。

荷台に積まれている荷物たち。この量を手で運ぶのは大変です。

魅力その5:展示会・販売の可能性

車内空間と移動を上手く利用して、移動をしながら販売したり、イベントを企画・運営することもできます。例えば、フリーランス料理人の林直子さんは、2019年12月に「旅するV A Nレストラン」を開き、キャンピングカーで約2週間にわたって全国を旅しながら料理イベントやケータリングし続けました。

林さんは、全国各地のイベントで美味しい料理を振る舞っています。林さんの絶品料理を求めて、イベントには多くの参加者が訪れます。参加者の幸せそうな笑顔が眩しいです。

実際に“バンオフィス”で働く人たち

“バンオフィス”を展開するCarstay株式会社では、従業員のほとんどが旅しながら働くという生き方を選んだ、いわゆるバンライファーという人達が多く働いています。Webデザイナー・エンジニア・営業・ライター、それぞれが好きな車で、興味や関心・仕事の依頼を受ける先に向けて自由に移動をしながらライフスタイルを築いています。
Carstay株式会社の本社オフィスは、新宿三丁目に構えていますが、基本的に8割の従業員がリモートワークで仕事を続けています。社内ミーティングや懇親会は遠隔でもできる他、自治体との連携案件など各地での仕事においても、フットワーク軽く仕事をすることができます。

Carstayのメンバーは、遠隔でミーティングをよくしています。

Carstay株式会社代表の宮下晃樹さんは、「リモートワークを取り入れるからといって、仕事に支障が出る事はありません。むしろ、各々の価値観や目的を実現できるので、“バンオフィス”は快適な手法の一つだと認識しています。この働き方は国内企業に勤める人や、仕事で訪れる訪日外国人にも広く活用してもらいたいなって思っています。」と語っています。

Carstayのサービスの可能性について語る、宮下社長。

また石川県の能登地方に住む中川生馬さんは、“バンオフィス”を上手く活用し、ビジネスに繋げている一人です。彼はバンライファー、 広報やライターなどとして旅しながら働きつつ、能登で購入した家を「バンライフ・ステーション」として解放し、バンライファーが心地よく長期滞在かつ住める駐車場を提供しています。この家「田舎バックパッカーハウス 」はシェアハウスやコワーキングスペースとしても利用することが可能です。2019年12月にオープンした「バンライフ・ステーション」は、一部のバンライファーからは根強い支持を得ており、実際に長期滞在をしている人も多くいるそうです。地元や全国メディアにも取材されています。この働き方について、中川さんは、「僕らがいる時代は、豊かな時代です。よくよく考えてみると、あらゆるライフスタイルが実現可能です。車中泊仕様で寝られるマイカーに、必要な装備を積めば、旅をしながら車で仕事をすることも余裕です。」と話しています。“バンオフィス”を取り入れることで、自身のQ O Lを高めている人が実際に多くいるのです。

能登にあるバンステーションは地元メディアからも注目されています。

“バンオフィスの可能性、なぜ今なのか?”

働く人を取り巻く環境は、時代に応じて刻々と進化を遂げています。
5GなどI T技術がアップデートすることによってリモートワークやテレワークなどが
インフラとして実現可能になり、働き方がより自由に効率性を求められるようになりました。近年では、MaaSといった交通がアップデートされて人や物の行き来がより活発になってくる時代がもう目の前まで来ています。そのような環境下で、多様な人の価値観やニーズに応えていくのが、新しい働き方を後押ししてくれる、“バンオフィス”の存在だと思います。“バンオフィス”は、日本人はもちろん、訪日外国人にも是非使って欲しい働き方(出張)のスタイルです。「せっかく日本に来たのだから、観光しながら仕事をしたい。」というニーズにもしっかり応えることができるからです。

キャンピングカー内で、国際色豊かな友人同士が仲良く会話をしている様子。

最後に

ここまで、“バンオフィス”についてご紹介をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?もし、このコラムを読んでくださっている方の中で、「今の働き方をより変えていきたい。」と考えている人がいるのであれば、まずは興味を持っていただき、実際に試して頂きたいなって思います。
まだ未知の“バンオフィス”も、実生活に取り入れることによって、きっとあなたの毎日をより豊かに、そして見ている世界がより広がるかもしれません。“バンオフィス”の可能性は無限大です。

この記事を書いた人

酒井 佳織(さかい かおり)
1991年に茨城生まれ。
ミッションは、“誰もが安心して暮らせる社会を創ること”
国会議員秘書として働きつつ、バンライフという車を通じた新しい旅・働き方・暮らしの魅力発信や青少年の非行・薬物依存からの更生をサポートする活動を精力的に行っている。

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